究極のお手軽ルート、でもツアーの雰囲気は十分

越後湯沢駅すぐ裏手の湯沢高原スキー場を出発点に林道沿いに滑る、入門者には最適なルートだ。途中顕著な登りはなく終始容易で、越後湯沢駅に戻るバス便も豊富だ。悪天のために他のツアーを諦めた際の代替ルートとしても、利用価値は高い。ゲレンデ板でも十分楽しめる。

土樽上空から見たルート
土樽上空から見たルート
ロープウエー頂上駅から大峰(P1)を望む
ロープウエー頂上駅から大峰(P1)を望む

 越後湯沢駅西口の温泉街を歩くことわずかで、湯沢高原スキー場に登るロープウエー乗り場だ。ロープウエー、そしてコスモスペアと山頂パノラマリフトとを乗り継げは出発点の大峰(P1)だ。この後展望は今ひとつなため、ここに設置されてある展望台に登ってみても良いだろう。

パノラマコース入り口(P1)の標識
パノラマコース入り口(P1)の標識

 パノラマコースの標識を確認し、ゲレンデコースとしている林道を下ると1069m地点でコースはV字状に左に曲がる。ここが実質的なツアー出発点(P2)だ。分岐する右(南西)方向に芝原林道を辿ろう。
 最初の10分程度はごくわずかな登りである。初心者がいる場合にはシールを貼っても良いだろう。じきに道は左に折れ、右手が雪原となる。ここは無雪期には池になっているところだ。この付近からようやく道は下りとなり、スキーも滑るようになる。また両側の杉林が風雪を和らげてくれるため、悪天候でもさほど苦にはならないのがありがたい。

雪が少ないと林道ののり面が露出する
雪が少ないと林道ののり面が露出する

 送電線の下をくぐり、林道が左に曲がった後、大きく右に曲がる場所(P3)から左の樹林に入る。南進後、傾斜が強まったら東にトラバース気味に滑り降りるが、トラバースが過ぎると林道屈曲点を超えて急傾斜の谷に入ってしまう。一方あまり手前で林道に降り立つと、その後の林道歩きが長くなりつまらない。視界の悪い時には高度計の助けも借り、良いコース取りを心がけたい。特に林道わき北側ののり面は少し崖になっているため、雪の付きが少ないと林道に降りるのに苦労する事になる。
 この後も林道屈曲点をうまくつないで滑ると効率的だ。ここで紹介する東側屈曲点をつないでショートカットして行くほうは、電線が頭上を走っているため視界が特に悪い時でも安心である。

芝原から振り返る芝原峠方面は霧の中
芝原から振り返る芝原峠方面は
霧の中

 最後のカーブから林道上を歩く事わずかで携帯電話の基地局となり、更に数分で三俣への三叉路となる芝原峠(P4)だ。ここを左(東)に下ると間もなく視界が急に開け、眼下の芝原の大雪原に目を奪われる。少し南進してから、疎林の斜面を一気に国道17号線まで滑り降りよう。このルート最大の至福の瞬間だ。なお国道の両側は除雪された雪壁となっている。交通量も多いため、安全な場所を見定めて横断して欲しい。588m標高点付近が道幅も広く良いだろう。
 国道を横断したら再びスキーを履き直し、大雪原を芝原下のバス停(P5)に滑り込もう。雪が切れていなければわずか10分程度で到着だ。

【プラスワンガイド】
 越後湯沢周辺には数多くの日帰り入浴施設が点在している。ぜひのんびりと湯に浸かり、湯沢の良さに触れて欲しい。その点でのイチ押しは、「もちろん山の湯」と温泉通は異口同音に勧める。こぢんまりとした共同風呂ではあるが、柔らかい泉質と素朴な雰囲気、そしてお手軽料金と三拍子がそろい、評価の高い事がうなずける。

湯沢高原スキー場から芝原峠ルート
地図
白い線は二万五千図の図郭を表す。

※掲載した地図および鳥瞰図は、国土地理院発行の数値地図25000(地図画像)および数値地図50mメッシュ(標高)日本IIを使用しました。