山行日 1962年1月21日
メンバー (L)宮坂、花岡、山本(政)、川口
新宿23時45分の最終長野行は列車がホームに入ってからでも座席が取れるくらいだったから、思ったほど混んではいなかった。
八王子で花岡君が乗り込んできて、これで予定の人員が全部そろった訳だ。
富士急行の東桂で降りたのは我々四人の他は二人組の登山者がいただけである。今晩はちょうど満月に当たり雲一つなく都会で見るより数倍の美しい月光を投げていた。しかし、気温は低く道は凍てついて靴音のみがカツカツと響いていた。
大沢橋辺りから完全な雪道となったが、満月で電灯は使用しなくて済んだ。途中右岸へ渡る橋の所で小休止をして池の平へ向かう。地図にあるトロの軌道は全部取り払われて、今では立派な自動車道路になっているので歩きよい。
池の平からクラミ沢に沿って入って行くと最初の沢が出合う。ここで切り落としを集めて焚火をして夜明けを待つことにした。30分くらいもすると先刻東桂駅にいた二人組がやってきて焚火の仲間に加わった。
夜が明けて二人組は先発。我々は6時半過ぎに出発。途中で道が二分していて先発の二人組は右の道へと入ったらしく雪の上に足跡がついていた。どうもこの道は違うらしいので我々は左の方に入る。沢から尾根に出て小登りすると富士見平で間もなく峰宮の前に出る。御正体神社は朽ちて倒れていた。
御正体山の頂上で石割山への予定は時間不足のため止めにして2時間の大休止をした上、元の峰宮へ引き返す。今朝来た道を左に見送って真直ぐの尾根をまっしぐらに駆け下りる。雪の道は登りは大変だが、下りとなったら速い。峰宮から細野までは1時間と15分だった。
バスに揺られて谷村町駅へ出て、大月乗り換えで帰京した。
〈コースタイム〉
東桂駅(2:57) → 右岸に渡る橋(4:15) → 池の平(4:40) → 沢の分岐(4:50~6:37) → ハガケ山鞍部(8:00) → 富士見平(8:40~8:50) → 峰宮(9:10) → 御正体山(9:45~11:40) → 峰宮(12:00) → 細野神社(13:10) → バス停留所(落合橋)(13:15~15:55) → 谷村町駅(16:22)