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編集時代の思い出
五十嵐 絹枝

 とにかく恵まれていたと思います。山の記録、横顔、奥秩父の案内、その他、本当に良く書いてくださって、全く自信はなかったのですけれど、お蔭でどうにかこうにか2年間続けてこられたのでした。編集員になっての初仕事は忘れもしません、2日間の徹夜。それも編集ならぬ、ルーム移転お知らせを出すことでした。今までのルームがビル工事でなくなってしまうため、新しいルームを大急ぎで探したのですが、新宿に決まったのが何と次のルームの4日前、さあ忙しいのって今から人に頼んだのでは間に合わないし、勝手がわからないし、でとうとう二晩3時までかかって葉書を書いたのですけれど、後にして思えばこんなのは総務のするべき仕事だったんですよね!その時は日がないっていうことでいっぱい、前のルームはもう工事現場になってしまったし、葉書が着かなければ皆行き所がなくなって困るだろうしと、その他のことは思い浮かばなかったんですねきっと。ルームの日は土砂降りの雨で集まった人数こそ少なかったのですが、葉書が間に合いルーム移転はめでたく成立。この新宿のルームは3回ほどで他に移ったのですが、どういう訳か全部ルームの日というと雨が降り、それも土砂降りと言って良いほどの降りだったのです。随分おかしなことです。
 「岩つばめ」は以前は月刊でしたが、この時から隔月になったのです。岩つばめを待つだけの時は1ヶ月が随分長く感じられたものですが、編集を始めてみると月の経つのが早いこと、まだ原稿の整理もしていないのにもう次の号を出す日が近づいていて慌てる有様でした。編集をしていて困ったことは、原稿が集まり過ぎて岩つばめに収めきれないような時、折角の原稿をやたら削っては書いた方の労を無駄にしてしまうようで嫌だし、またちぐはぐな文になってしまっても困るのですから。そして〆切日までに書いた原稿はできるだけその号に載せたいし、けれど残念ながら次号回しになったものもありましたね、その方はどうぞ堪忍。
 嬉しかったことは原稿を一番早く読めること。次の岩つばめを待つまでもなく、皆さんから寄せられた原稿を読めるのですから、これは唯一の役得?でした。表紙やページ中のカットは題を探すのに時間はかかりましたけれど描くのは楽しかったことの一つです。下手な絵ばかりで見る方はお気の毒みたいでしたが本当に楽しかった。
 残念なことは「天気図の書き方」が1回載っただけで、あと消えになってしまったこと。気象庁にお勤めの春田さんが原稿の足りない時にでもと貸してくださった本から転載したのですが、その後原稿は多く寄せられたり何やかやでとうとう続きを載せる機会をなくしてしまったのでした。もう一つは、奥秩父の縦走案内が途中であるということ、執筆者氏が多忙になったためか、編集が原稿ヨコセ!って言わなかったせいか、雁坂峠で停滞したっきりもうじき2年になってしまいます。編集委員様もしスペースがございましたらこの旅人を出発させて目的地まで着かせてあげて下さい。
 2年間、皆様から見れば足りないところが多く、さぞじれったい思いをなさったことでしょうが、私の方からは執筆者やその他の方々の協力に恵まれ、本当に楽しく編集を続けることができました。
 個人的にも一番多く山に行けたのがこの時期でした。山にも楽しい思い出が沢山残っています。会の変動もなく、無事に編集を務めさせていただいたこと、皆様に感謝いたします。


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