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丹沢集中登山 大山川
鈴木 嶽雄

山行日 1969年4月20日
メンバー 鈴木(嶽)、野田、佐藤、溝越

 伊勢原から見ると真っ青な空に雪の付いたピラミット型の大山に、これから登る大山川が一直線に突き上げている。大山町までタクシーを飛ばす。食堂で朝飯の肉うどんを腹に入れて、土産物屋の並ぶ参道を登る。ケーブル乗場の手前から右へ新緑の渓谷を進む。途中、滑滝「八段の滝」あり、ゴルジュあり、小さな滝も数多く面白い。三峰祭りに良さそうな場所もあった。二俣で一休み。野田さん、佐藤(昇)さんが左へ、おれと溝越が右へ進む。この辺りから日陰には雪がある。しばらく進み大きな滝を右から直登。この滝の上は下社と日向薬師の道が横切っている。道に出ると野田さん達が来る。さっきの左の沢は枝沢らしかった。橋の上からの二重の滝は見事である。この辺り杉の大木があり、神社の古さが偲ばれる。小社の裏を右から二重の滝の上部を大きくトラバースして沢床に降りる。後の滝は殆ど直登、一つ面白かったのは滝上に登るのに大きな倒木を猿じゃないけど、四つん這いで渡るところなどスリルがあり楽しかった。そろそろ腹も減り始め飯にする。こちらは所帯持ちが二人もいるんで食料がバッチリあった。おにぎり、サンドイッチを腹いっぱい食べた。金平糖やかわり玉など食べ昔話に花が咲く。やっと重い腰を持ち上げて再び進む。二俣になり前と同じく右と左へ分かれて登る。我々は右へ、沢の雪もズンズン多くなる。最後の詰めは相当悪いガラ場に出る。膝までのラッセルをしながらスリップしないように慎重に登る。笹藪を一漕ぎで稜線の道へ出る。左へ山頂を目指す。モートーが聞こえてきた。こっちもモートー、人間だらけの山頂には腹を空かした春岳沢の連中が先に来ていた。スキヤキを作っていると、グット遅れて野田さん達も無事到着。スキヤキを食べて、紅茶に生卵を入れた変なのを飲んでケーブル乗場へと下る。初めて乗るケーブルカー、お金は高いけど少しだけ童心に返ったような気がした。


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