山行日 1971年6月13日
メンバー 播磨、山本(義)、今村、鈴木、松本
釈迦ヶ岳とは、御坂黒岳より派生し、主脈と芦川を隔てて東へ走る尾根上にある1640m圏のピークで、五万分の一の地図「甲府」図幅の右端に位置し、三角点はないが、どこから見ても、小さいながらピラミダルな形をした山である。
石和駅にて夜の明けるのを待って、タクシーを飛ばして登山口の檜峯神社入口まで行く。昨日からの雨は一応あがったが、空模様は何となくはっきりせず、やはり梅雨時の空である。
タクシーを降りてから、車の通れそうな広い道を、檜峯神社まで、正面にこれから登る釈迦ヶ岳を仰ぎながら、ゆるい登りに一汗かく、途中、アヤメ、やまおだまき等の光が、道程の単調さな救ってくれる。
声の仏法僧発見の地という碑のある檜峯神社で軽く腹ごしらえをして、奈良原峠に向う。神社から先は、前日降った雨が枝葉についているため、峠に着く頃には、全身がびっしょり濡れてしまった。
峠はグンナイフウロの群落があり、野鳥の声も聞こえて、なかなか気持の良い所だ。ここからは伐採されて歩きずらい尾根を、か細い踏跡をひろって、1474mのピークまで一登り、ここで鳥坂峠方面より来た道に出合う。途中サラサドーダンの花が咲いていて、皆を喜ばす。
ここまで来れば、釈迦ヶ岳は一投足の距離で、尾根上の軽い一上一下を繰り返して、最後の鞍部より、岩混じりの急登で、屏風岩の脇を通って頂上着、天気は相変らずはっきりせず、それでも雨の降る心配はなさそうだ。
頂上で昼食を済ませ、記念写真を撮って、黒岳へ向う。頂上から漸くは急な下りが続くが、やがて尾根上の担々とした上下の少ない道となる。この辺りは遅咲きのツツジが赤い花をつけていた。
登りでいろいろと道草をくっていて、意外と時間を費してしまい、時間的に遅れてしまったので黒岳は諦め、予定を変更して途中から芦川方面に道をとり、すずらんの自生地を見て、芦川に沿った林道を下り、上芦川で鴬宿からのバスをつかまえて、甲府へ出た。