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忘年山行・矢倉岳
播磨 忠

山行日 1971年12月12日
メンバー 宮坂、長久、原口、野田、鈴木、三橋、松本、石原、播磨、山本、渡辺

 このところ齢をとったせいか時の経つのが早く感じられ、つい最近やったばかりだと思っていた忘年山行が、またやって来てしまった。全く歳はとりたくないもんだね!
 新松田で長久さんを加えた総勢11名の我々グループは、関本乗り換えの地蔵堂行きバスで矢倉沢口で降り、トンネルを潜って矢倉沢の部落へ入る。そこで必要な物資(といっても例の気狂い水一升也)を仕入れ、近くの寺の境内にて水をもらい、スキ焼の仕込みをして勇躍出発。風は少々冷たいが空は晴れ渡り、絶好のハイキング日より、南に面したみかん畑の中の道は、さんさんと降り注ぐ初冬の太陽を浴びて暑いぐらいだ。たわわに実ったみかんの木を左右に見ながら、のんびり歩くのは誠に良いものだ。
 太目の私は一汗も二汗もかいてやっとのことで頂上着、しかし登山口から1ピッチ、なかなか良いペースだったぞ!頂上には早くも先行者がいて、豚汁の鍋を囲んで、ビールで一杯やっているグループがいた。我々も敗けじと早速その辺の枯草をふみ倒して場所を作り原口さん自慢のスキ焼などを作り始めた。我々は担ぎあげて来た一升ビンの栓を開けちびりぢびりとやり始めた。そのうちスキ焼も出来、皆んなでそれをつっついて賑やかにやっているうち、またたく間に一升の酒と、鍋一ぱいのスキ焼は無くなってしまった。
 腹もくちくなったし、酒も適当に廻わって良い心持だ。食後の運動ということで、その辺に生えている身丈程の枯れ草を、皆んなでなぎ倒し展望を良くしたところ、意外と丹沢方面の眺めが良くなり、東の大山から、西の畦ヶ丸までバッチリ見える。この山は富士山の眺めもさることながら、丹沢山塊の眺めの良さには驚ろく。それをバックに記念写真を撮り、愈々下山にかかる。
 帰路は酒火の滝を経て、山北に下る予定だったが、時間の都合で途中から広い道を、そのまま山内へ出て、バスの都合もあって関本経由で新松田へ出た。
 忘年山行で今年を振り返って見て、良い年か悪い年かはすぐには判らないが、来年もベストをつくして見て、今年よりもなお一層充実した年を送ろうと心に誓った。ガンバラナクッチャ!


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