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那須三斗小屋集中
その3 朝日岳遭難騒動顛末記
原口 藤雄

山行日 1988年9月11日
メンバー 原口

 朝早く厚木を出る。土砂降りの高速道路を那須岳山麓駅の駐車場の待ち合せ場に9時すぎに到着、堀田さんらが来ないので9時45分発のロープウェイで山頂駅に。眺望もなく霧雨の中を茶臼岳、峰の茶屋、朝日岳、熊見曽根の分岐を左に三斗小屋温泉に12時25分着。章子さんらのパーティが到着していた。広瀬君等は早く下るとの事、まずは温泉に、露天風呂は最高、まずはウイスキーの温泉割りを少々、ビールをいただく。話に花が咲き、朝から何も食べていないので、温泉とアルコールで1時間位で出来あがってしまい、脱衣場でマグロになってしまった。3時過ぎに出発、寝不足とアルコール、湯あたりのせいか動作がノロノロでメンバーの最後尾から出発。しばらくはついていったが、沼原、峰の茶屋の分岐の所ではぐれ、半分眠りながら歩いていた様だった。沼原、姥が平の分岐の先で完全に眠った状態で、起きたらブヨにあちらこちらを喰われていた。30分位眠った為、元気も出て牛が首を通り山頂駅に6時到着、霧は濃くなる一方でうす暗くなり、風も出て来た。ままよと、ロープウェイの下を行けば何とかなると思い下り始めたがすぐ崖になり、また元に引き返すはめになった。これなら茶臼ヘ登るしかないと、ヘッドランプを点けて歩き出すが霧が濃くなる一方で踏み跡の○印が見つけにくく1時間たっても頂上に着かない。岩かげに入り、おにぎりを食べ、ジュースを飲み沈思黙考。下では心配しているだろうと思った。山頂駅にビバークしかないとの結論になり、下山を始め、やっとの思いで山頂駅にたどり着いた。7時50分。さっきは完全に締まり切っていた扉が開いていた。警察の方から連絡が入っていたとの事であった。すぐ警察に事情を説明し了解を得た。現在風速14mで視界不良、13m以下にならないと運転出来ないとの事で、しばらく風待ちの状態で8時20分、風も落ち、私一人の為、運転手つきで運転して下さった。感謝!!下で家内と喜びの再会。川田君は車で沼原へ勝部君を迎えに行ったとの事で連絡がつかなかった。9時過ぎに那須遭難対策本部長の大丸温泉大高荘の大高さん等が来て下さり事情を説明、謝意を表明する。9時40分、川田君、勝部君が到着、東京に電話で連絡し帰路についた。


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