山行日 2024年2月10日~12日
メンバー (L)鈴木(一)、荻原、斎藤(吉)、大瀧
この企画、当初は裏岩手縦走路をスキーで歩きたいと、斎藤さんと話したところから始まった。途中の避難小屋を繋ぎ、稜線をスキーで歩くのはとても魅力的だ。だが、この山域はとにかく天気が不安定。厳冬期ともなれば尚更だ。予定の日が近付くに連れ、どうやっても縦走中日の天気が見通せない。山行直前になってしまったが、泊まりでの山を諦めて日帰りに切り替えることをメンバーに伝えたところ、気持ち良く賛同してもらえた。
そうなると向かう山を決めるだけだ。同じ山域に気になる山があった。後生掛温泉の裏手に広がる広大な雪原だ。山の名前は秋田焼山。各地にある「焼山」の例に漏れず活火山だ。火山性ガスの影響で山頂付近は木々もまばら。快適に滑れる斜面が広がっている。これで行き先は決まった。
2月10日、後生掛温泉手前の除雪最終地点を8時にスタートした。まず目指すのはベコ谷地。これからの荒天を想像できないほどの青空が広がる中、シール歩行で快適に歩みを進める。後生掛温泉から100mほど高度を上げたところで目指す焼山山頂が見通せた。特に急な斜面もなく、栂森ピークに到着。ここから後生掛温泉に戻る人も多いが、せっかくなので山頂を踏むことにする。
稜線を歩いていると山頂カルデラを見渡せるところで、荻さんが「火口に向かって滑れるんじゃない?」とひと言。確かに山頂から少し戻った箇所は雪庇も切れており、エントリーできそうだ。風もなく、雪も安定しているだろうとのことで火口斜面の滑降が決まった。
スキーの準備をしていると「リーダーが一番手で」。今までは誰かが滑った斜面を付いていっていただけなので、これには緊張した。斜度は極端にきつい訳ではないが、雪の状態がどうかなんて行ってみないと分からない。少しためらったが、思い切って飛び込んだところ思ったよりも雪の状態が良く、スピードはコントロールできる。3ターンほどしたところでストップして後続を待った。
安定しているとはいえ、何があるか分からない。カルデラにある避難小屋まで一気に滑り込んで緊張の一本が終わった。あとはシールを付けて栂森、毛せん峠、国見台に登り返す帰り道。雪の状態が良すぎて沢を滑り込んでしまい、シールを付け直す羽目になるハプニングはあったが、充実の日帰りスキーとなった。
二本目は白神山地最西端の田代岳を選んだ。大館市内からロケット試験場に向かう山道で入山口に向かう。途中、氷の斜面で車がスタックするトラブルはあったが、何とか登山開始。大広手登山口手前の尾根を、スキーとスノーシューのトレースを追いながら登ると4人組と、2人組のパーティーに追い付いた。
先頭に立つとスキーでくるぶしより少し上のラッセルになったが、雪が軽いので特に苦にはならない。夏は湿原が広がる山頂下の平原まで2時間といったところ。そこから150m程上にある山頂の小屋(神社)へ向かった。
一休みの後、まずは山頂のオープンバーンを滑り降りる。湿原をシール無しで歩いていると、ここに来て急に青空が見えた。一堂、テンションを上げてツリーランに向かう。登ってきた尾根の左手に広がる沢状地形は極上のパウダーで思わず歓声が上がる。下部では沢が出ているところもあったが、大満足の一本だった。
翌日は八幡平に向かう。本来の企画のスタート地点だった御在所ゲートから旧スキー場を経て茶臼岳を目指した。稜線まではCAT道を歩くので特筆する部分はない。スノーモンスターの間を縫って茶臼山荘に到着して一休み。自分以外のメンバーは小屋からトラバースするルートで滑ったことがあるそうだが、こちらもせっかくなので山頂から滑りましょうという事で小屋から10分弱の山頂に向かうと、いきなりの暴風だ。樹氷の影で滑降準備を済ませ、さっそくドロップ。こちらも快適な斜度だが、ターンする度に表面を雪が流れて何とも緊張する。ワッフ音が聞こえた気もするが、すぐに安全地帯に到達した。あとはなるべく高度を落とさないよう恵比須沢を滑り込んでアスピーテラインに降り立った。
【2月10日】 | 後生掛温泉 → 栂森 → 焼山 → 国見台 → 後生掛温泉 |
【2月11日】 | 大広手登山口 → 田代岳 → 大広手登山口 |
【2月12日】 | 御在所 → 茶臼岳 → 恵比須沢 → 御在所 |