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山スキー・頚城山塊昼闇山
荻原 健一

山行日 2024年3月2日~3日
メンバー (L)荻原、永岡、川口(修)

 当初の予定は清水集落~柄沢山~大烏帽子山、朝日岳を越えて清水に戻るという一泊二日の上越国境・周回大縦走を予定していたが、この週末は悪天予報のためスキー縦走はあきらめて、来年の予定に入れていた昼闇山スキーに予定を変更した。来年行きたいルートは他にもいろいろあるのだが、決め手は三峰ツボ足隊とのコラボ登山をやりたかったのだ。途中、無線連絡をとりながら奇跡的に山頂で集中出来たら盛り上がるかな?などと思っていたが、現実はなかなか厳しかった・・・

【3月2日】吹雪のち午後から晴れ
 今日は午後から天気が回復するとのことで朝はゆっくりだ。9時過ぎにシャルマン火打スキー場に到着するとなかなかの混み具合でびっくり。地元のスキーヤーは大量降雪があると一気に押し寄せるようだ。前日比+60cmということで期待が膨らむが、とりあえずゲレンデを1本滑ってみると思ったより雪は重く、極上パウダーという感じではない。11時にスキー場トップより放山スキーのツアーに出発する。1時間ほどで放山の山頂に到着すると、予報通り天気も回復してくる。当初は笹倉温泉に降りる予定だったが、悪天で出発が大幅に遅れたのでBプランの二本木ルートでスキー場に戻ることにする。(笹倉温泉ルートもルート自体は短いが、バスと電車で戻るのに非常に時間が取られる)山頂付近の雪は軽くパウダースキーを満喫するが、すぐに傾斜が緩くなってしまい、緩傾斜ながら普段なら滑れるところも深雪では止まってしまうのでしばらくはシールを付けて進むことになる。再び傾斜が出てきたところでシールを取って滑降モードに切り替える。快適斜面をかっ飛ばしていくと最後に小雪で沢が埋まっていないところが出てきて、なかなかアドベンチャーなBCスキーとなるが、無事にゲレンデに戻って来て本日は終了。糸魚川市に移動して快適な仮眠場所で一夜を過ごす。

【3月3日】晴れ午後遅くから風雪
 今日はいよいよ念願の昼闇カール滑降にチャレンジ出来るので朝からモチベーションは高い。2:30に起床して3時に仮眠場所を出るが初老チームの動作は街でも鈍く、焼山温泉を出発したのは結局4:30になってしまった。それでも前日の三峰ツボ足隊のトレースをお借りして順調に進む。といってもツボ足のトレースはスキーには結構ストレスフルなので途中から外れて脇を進ませてもらう(ルーファイは助かりました!)。
 約3時間でツボ足隊に合流するが、前日からのラッセル地獄で既に疲れ果てており、これから帰路に着くところだとのこと。残念だが、この大量降雪の中、しかも誰も入っていないノートレースの条件で、ラッセルを終日続けた三峰メンバー(ほぼ女子メンバー)を誇りに思いながら、涙の別れとなる。

ツボ足隊と合流!バックは海谷山塊の盟主・阿弥陀山と烏帽子岳

 ここで入れ替わるように単独で体力のありそうなお兄さんが先行してくれるが、それも30分足らずで早々に退却してしまった。ということで、ここからは三峰フィフティーズ・トリオでえっちらおっちらルートを切り開いていく。今日は風が強く稜線や尾根は雪煙が舞い上がりまくっているので、尾根を避けて斜面をトラバース気味に標高を上げていくが、カール上の斜面には新雪が溜まり、ラッセルが深くて苦戦する。

カールを見ながらの苦しいラッセル1苦しいラッセル2

 それでもなんとか1,600mの昼闇台地に乗り上げると、頚城の盟主・焼山、火打山、雨飾山、そして遠くは北アルプス(白馬、雪倉、朝日あたりか?)などがその姿を現して素晴らしいのひと言。しかし台地から先はとにかく風が強い。風に煽られながら稜線伝いに進み、急登が始まる昼闇山の肩(標高1,650mあたり)で登頂はあきらめ(午後から大荒れ予報)、もう一つの目的である昼闇カール大滑降の準備に入る。強風の中なんとかシールを外し終えると、さー大滑降の始まりです。稜線から思い切ってカールに飛び込みます!

ここからカールに飛び込みます!カール大滑降1

 出だしはアイスバーンで緊張するが、すぐに極上パウダーに変わり、カールに入れば風もない。上を見れば真っ青な空、下を見れば吸い込まれるような輝く白銀の世界。この広大な昼闇カールを我々3人だけで貸し切って滑るシチュエーションを表現できる言葉はもはやこの世に存在しないのだ。雪崩リスクの高い日でもあり、一番危険なファーストトラックはリーダーの私が務めるが、なんとか事故もなくカールの底に着いた時は様々な感情が湧いてきた。

カール大滑降2カール大滑降3出し切りました!

 ふと見ると我々のトレースを利用して上がってきた10名くらいのガイドパーティーが、カール底から少し上がった尾根より滑降を終えたところであった。彼らはここからシールを付けて西側の尾根を乗っ越して隣の沢を滑ってから焼山温泉に戻るとのこと。さすがに地形やルートを熟知している。我々は初見ということもあり、そのまま登りで使ったルートを忠実に辿って焼山温泉に戻る。焼山温泉から見た昼闇山は果てしなく遠く見えたが、あそこからの帰りはたったの2時間、やはりスキーの機動力は凄い。そして念願の昼闇カール大滑降、最高でした。今回もご馳走様でした!

〈コースタイム〉
【3月2日】 シャルマン火打スキー場トップ(11:00) → 放山山頂(12:00) → シャルマン火打スキー場山麓(15:00)
【3月3日】 焼山温泉(4:30) → 昼闇山の肩(1,650m)(11:45~12:00) → 焼山温泉(14:00)

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